第42回みんなの音楽会での出来事

毎年「みんなの音楽会」では心に残る出来事がいくつかあります。

その1つとして、連続30回出場の成人の自主グループ「グループ三田」は今年を最後の出演と決めていました。

身体に障がいのあるグループで8人が出演、グル―プの中心だったKさんが6月に亡くなり、メンバーから出演の辞退がありましたが辞退ではなく、Kさんを偲ぶコンサートに出演しよう提案。いつも座る前の席の真ん中に写真と小さな花束を置き、メンバーに囲まれて、いつものようにグループは出場しました。毎年最後のトリを務め、コーラスとアンクロン(タイ等東南アジアの竹の楽器)を使い、最近はオリジナルで、爽やかな中に力強いメッセージを持った曲を届けてくれていました。Kさんはメンバー紹介、曲の紹介などサービス精神いっぱいで、いつも会場を盛り上げていました。細い体で会場いっぱいの大きな声が印象的でした。いつも私たちに「元気と前向きなガッツな精神」を届けてくれていました。段々年を重ね、体力がなくなったと嘆いていましたが、コンサートには間に合うように駆け付けてくれていました。

グループ三田は30年前、港区の区報で障害者のコーラスグループ募集に応募したことから始まりました。講師に依頼されたのが当協会の創立者の赤星建彦で、赤星多賀子共々月2回の講座に出向き指導、3ヶ月で終了でした。終了後も続けたいという希望から、当協会の本部を使用してのコーラスグループは継続してきました。Kさんは杉並区に居住、障がい者会館で仕事をする傍ら、障がい者会館を練習場所に借りて、グループは続いていました。他のメンバーも仕事も住まいも別々で集まるのも大変でしたが、音楽のコーラスと楽器の身体表現に快さを感じて、月2回が楽しみに集まっていました。

また、Kさんのもう一つ特技はプロの腕前のイラストです。美術展にも出展していましたが、明るく躍動感のある楽しいイラストは、当協会のコンサートのプログラムにもぴったりと長く使用させて頂いてきました。

いつでも出会いと別れがあります。難病と闘いながら精一杯生きる姿勢に私ども、会場の皆さんも元気をもらっていました。コーラスの歌声は、会場中に暖かい空気が流れ いつものように「さようならグッドバイ!」の歌のように、また会いましょう!きっと、きっと、きっと!」 の声が聴こえて来るようでした。

「有難うKさん」メンバーとスタッフ、会場皆んなと共に心に刻みました。

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