冬の夜

昨日の1月20日は「大寒」でした。この日から2月4日の「立春」までが1年で一番寒い時期ということになります。

音楽療法の現場では『冬の夜』が歌われていることでしょう。1912年(明治45年)に「尋常小学唱歌 第三学年用」で発表された文部省唱歌で作詞・作曲者は不明です。

筆者はこの歌の二番を聞くと、この前の季節の歌、「里の秋」を思い出します。

「冬の夜」二番

囲炉裏の端に繩なふ父は 過ぎしいくさの手柄を語る
居並ぶ子供は ねむさを忘れて 耳を傾け こぶしを握る
囲炉裏火はとろとろ 外は吹雪

というものですが、「里の秋」の三番に、♪さよならさよなら椰子の島 お船に揺られて帰られる ああ父さんよご無事でと 今夜も母さんと祈ります♪と歌われています。

つまり戦争から無事に帰ってきた「お父さん」が冬にはこの囲炉裏の端に居る…そんな風景を思い浮かべてしまうのです。いずれにしても日本の山里の原風景、失われつある原風景ではあります。