早春賦

暦の上では立春を過ぎ「春」の季節。梅の花もほころんできた。でもまだまだ寒くて春の実感はない…

そんなこの時期に「早春賦」はぴったりの歌ですね。

高齢者の音楽療法の場では頻繁に歌われている事でしょう。

♪春は名のみの 風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど

時にあらずと 声もたてず 時にあらずと 声もたてず

現代の歌は「口語体」(話し言葉)で作られるのが当たり前のようになっていますが、この「早春賦」が作られた時代(大正2年)は文語体(書き言葉)で作詞されることが唱歌には多かったと思います。

「春は名のみの」を口語体にすれば「春とは名ばかりで」となりましょうか。もちろん有名な歌ですから皆さんご存知だろうとは思いましたが若い方々には「ピンとこない」と聞き及び、若干寂しい気にもなりました。

日本語の美しさは「文語体」にたくさん残されています。折に触れ「文語体」にも親しみたいものです。

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